恋する生徒
…ようやく呼吸が落ち着いたのか、少し恥ずかしげにこちらを見る茜ちゃんに俺も腹をくくった。
「………告白は俺からって、思ってたのにな…」
ついさっきまで告白しようと思ってたけど、まさか茜ちゃんに言われてしまうとは思っても見なかった。
言ってしまったら少し恥ずかしくなって、顔を隠すように口を手で覆い隠す。
やべ、嬉しすぎて本来の目的が違う方へいきそうだ…。
目的とは、俺がここに来ている理由。それはただ一つ。
彼女の成績を上げる事。それを仰せつかった女王…ではなく、茜ちゃんの母上からの命令でもある俺はそれを全うしなければいけないんだ。
「茜ちゃん? …次のテストっていつ?」
「え?」
一人で百面相していた茜ちゃんに声をかけたらビックリしたらしく驚いて俺を見上げる。