恋する生徒
恋する生徒 おまけ編
目の前に散らばった用紙を見ながら、私は盛大なため息を吐いた。
たった、一枚。されど一枚。
「……83点…」
「………はいぃ…」
今日も先生は、す・て・き…。
眉に2本のシワ、渋い顔。
そんな顔もスキ~!
って、そんなのん気な事を言ってる場合じゃないのよ!!
「…よりによって、基本中の基本の問題で…」
はい。基本問題で躓いてしまいました…。
や、約束のチ、チュウは…ないよ、ね?
そりゃ、ないよね。約束は約束だもん…。
…分かっていたけど、悔しさっていうの? 悲しさっていうのかな? …やっぱり、落ち込んじゃう。
「俺の教え方が、悪かったのかな? この文章問題も、何で答えは合ってるのに式が違うの?」