【短編】異端の二人
幸せな日々
ナナは眉を下げ、遠慮がちにそう言った。遠慮がちなのは、タカから“質問の多いお嬢さん”と言われたからだが。


「いいよ。なんだい?」


案の定、タカはフッと苦笑いを浮かべた。


「私は安全なのでしょうか? つまり、その……あなたと暮らしても」

「もちろんさ。僕は君を守るために此処へ来たんだからね、君に危害を加えたりはしないよ。君に限らず、僕は人間に危害を加えないよう、天馬博士にプログラムされている。その事は前に言ったよね?」


確かにそうだった。しかしナナの心配事は、“危害”とは少し違った事のように思え、不安は消えなかった。


「そうなんだけど、何て言うか……」

「ん?」

「あなたは、少なくても見た目は若い男性なわけで、一般に男の人と女の人が一緒に暮らすと、その……」


ナナは口ごもり、頬をピンクに染めた。

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