【短編】異端の二人
少女の正体
それからおよそ10年の歳月が流れた。
シャワーを浴びたナナは、鏡に映る自分の身体を見ながら、深い溜め息をついていた。
タカはアンドロイドにもかかわらず、10年の歳月が身体に表れていた。目尻の皺が深くなり、首の皮がやや弛み、頭髪や髭に白い物が混じるようになっていた。ところが……
ナナの身体には、全くと言って良い程変化がなかった。
今年で27歳になったナナではあるが、鏡に映った顔は、17歳だった10年前と寸分も違わず、胸の膨らみは、十分とは言えなかった10年前と同じ。肌の張りも腰の細さも、何もかもが10年前と変わっていなかった。
世間知らずのまま過ごしてきたナナではあるが、これが尋常でない事ぐらいは解っていた。
(私って、普通じゃないんだわ……)
シャワーを浴びたナナは、鏡に映る自分の身体を見ながら、深い溜め息をついていた。
タカはアンドロイドにもかかわらず、10年の歳月が身体に表れていた。目尻の皺が深くなり、首の皮がやや弛み、頭髪や髭に白い物が混じるようになっていた。ところが……
ナナの身体には、全くと言って良い程変化がなかった。
今年で27歳になったナナではあるが、鏡に映った顔は、17歳だった10年前と寸分も違わず、胸の膨らみは、十分とは言えなかった10年前と同じ。肌の張りも腰の細さも、何もかもが10年前と変わっていなかった。
世間知らずのまま過ごしてきたナナではあるが、これが尋常でない事ぐらいは解っていた。
(私って、普通じゃないんだわ……)