【短編】異端の二人
「え? それは何の事?」


タカは、ナナの問い掛けに直ぐには答えず、上を向いて目を閉じた。何かを考え込むように。

そして、その何かを吹っ切ったかのように、しっかりと目を見開いた。


「ナナ、僕はこれから君に真実を話そうと思う。その事で、君は僕を恨むかもしれない。いや、恨むに違いない」

「タカ……」


いつになく重々しいタカの声音に、ただならないものを感じ取るナナだった。


「僕はね……、本当は人間なんだ」

「…………えっ?」

「生身の人間なんだよ」

「嘘でしょ?」

「本当さ。その証拠に、この10年で僕は年を取ったじゃないか。君も気付いたと思うが」


確かにその事にナナは気付いていた。それだけに、10年で全く年を取らない自分の身体に、疑問を抱いたのだから。

しかし、それは……

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