【短編】異端の二人
「犬、ですか?」

「うん。君に会ったら、聞いてみたいと思ってたんだ」

「犬や猫は、とても単純な事しか考えていません」

「なるほど。例えば?」

「えっと、お腹が空いたとか、眠いとか、怖いとか、それと……」

「メスとやりたいとか?」


タカに図星をつかれ、ナナは顔を真っ赤に染めた。


「やはりそうか。ちょっとがっかりだな。イルカやシャチはどうだい? あるいはクジラとかチンパンジーは?」

「それは試した事ありません」

「今度、機会があったら試してみようよ? 彼らの脳は、もっと複雑な事を考えてるかもしれないよ」

「あの……。そんな事より、なぜあなたの心が読めないのか……」

「ごめん、ごめん。そうだったね。なーに、至極簡単な事さ。アルファ波は動物や人間の大脳から発せられると言ったよね? もし僕が人間でないとしたら?」

「えっ!?」


思いもよらないタカの言葉に、ナナの思考回路は停止状態となった。

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