イベリスの花言葉。
START
窓の外はドット模様。
太陽の光が当たらない街はいつもより薄暗い。
カラフルな傘が色を付けていくも
グレーなあたしの世界は映えない。
キラキラした世界が見たいあたしはこの汚い世界を嫌って、まだ早いこの時間にカーテンを引いた。
微かな光すらも遮ぎられた部屋は、鏡に写っているハズの自分の顔も見えない。
脱力してベッドに座り込む。
転がっていた大きなクッションを掴み、顔を埋めた。
遠くから足音が現れ、鍵のしっかりかかった扉の向こうで止まる。それから小さくノック音が鳴った。
当のあたしはピクリとも動かなかったけれど。
ため息と、床にコトンとなにかを置いた音と共に足音が遠ざかっていく。
気配が完全に消えたのを確認してベッドに寝転がった。