イベリスの花言葉。
「あー、疲れたわ。」
扉が開き、伸びをしながら入ってきた社長にお疲れ様と声をかける。
会議はおそらく重苦しいまま進んだことだろう。
あたしはああいう雰囲気は苦手だし、重役たちもあたしみたいな子供が入ると嫌がるだろうから遠慮している。
彼らが一番嫌なことは、年寄り扱いされる事だ。
「リオン、ご飯食べた?」
「うん。マクソナルソ買ってきたもん。」
机の上の食べかすを片付けながら答える。
返ってきた言葉に、つまらなそうにため息をつく社長に苦笑する。
「仕方ないわねー。一人で食べてくるわ、30分くらいで戻るからよろしくー。」
適当に出て行く社長に、こんどはあたしがため息を吐きたくなった。
それから暫く掛かってきた電話の対処や書類整理をしていたあたしだったけど、時間は全然過ぎていない。
仕方なく、先ほどの会議の映像を見ながら手元の資料で確認していく。
新しい企画は思うように進んでいないらしい。
あ、この人携帯弄ってる。
ページをめくろうとしたとき、扉が開いた。