イベリスの花言葉。
「この車はあたしが働いている会社のものなんですって。確かに陸さんは社長の息子さんですが、会社には入っていないので、会社の人間にはなりません。」
つまり。とあたしは続ける。
「会社の車に乗っている以上、この中で我が社に勤務しているあたしに決定権があります。あなた方に降りていただくことだって、できるんですよ?」
あたしが目配せをすると車は突然停車し、扉が開いた。
「お嬢様方、どうぞお降りください。」
頭を下げる運転手。呆然とする女2人。無関心の男共。
「それから・・・。」
「何よ!」
甲高い金切り声を上げる女たち。
「豊胸手術すると、判っちゃうんですよ。前はどれくらい大きかったかとか。」
その衣装だと。と指差す。
彼女らは気がついたのか、慌てて手で押さえる。
「むやみにグイグイ押し付けても、異物が入ってるので硬くて痛いんで加減してあげてくださいね。」
にっこり笑って言うと、2人は憤慨して降りていく。
それを見計らって、あたしは代わりの女性を外に並ばせた。
「龍さん、瑠衣さん。申し訳ありませんが、こちらの中からお好みの方を選んでいただけますか?もちろん、陸さんも。」
むしろ3人選べ。
あたしはそのまま帰りたいんだから!!
懇願するように見ていたが、3人とも動かない。
あれ?
「お前がいい。」
「僕もー。」
「2人とも、この子は俺のパートナーなの。」
取り合いが始まりました。
あたしの予想に反して、3人は間逆の行動をとっております。
おそらくこの3人は宇宙人かと思われます。どうぞー?
「「「無線なんてないから。」」」
3人からの突っ込みであたしやる気そがれました。