イベリスの花言葉。


お父さんが先に殺されたのだろう。
お母さんはきっと、叫んだはずだ。
内容はわからないけれど、悲鳴でも助けてでもやめてでもお母さんはきっと何かを叫んだはずだ。
ただ、この男は殺した。
懇願するような叫びを聞いたにもかかわらず。
「Do you know this thing?」
あたしはこの男が許せない。
どうしても、許すことができない。
「They had big dreams.They had big futures too.If they living many peoples wrap big happy.But you`re rob.」
あたしは一端言葉を止めた。
苦しかった。
それでも、伝えたかった。怒りも、全て。
「You rob many smile,happy,and life.I don`t never pardon for you.」
涙は人を弱くするし、強くもする。
未来と進んでいくために、あたしは過去を乗り越えなくちゃいけない。
視界がゆがむ中、いつの間にか到着していた警察に彼は取り押さえられた。
彼がどうしてあたしの前に現れたのか判らない。自主する気になったのかそれすらわからないけれど、理由があると思った。なにかしら。
一円も盗まなかったあの人は本当に快楽のために両親を殺したの?
オジサンたちが絡んでいるのは判っている。
もしかして、命令したのはオジサン・・・?
お金は人を醜くする。
それは尊い命すら奪うのだから。
罪は人を悪人にする。
彼のように。
周りの景色が見えてきたころ、足から力が抜けた。
字の如く、脱力。
これでよかったか、なんてわからない。



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