イベリスの花言葉。
オジサンたちの家だから、あたしの部屋の鍵を持っていたって不思議じゃないんだけど
寝ている間に忍び込まれるのは困る。
あたしは気まずそうなオジサンを見上げた。
オジサンは机の上の散乱した荷物を軽く片付けると、空いたスペースに先ほど置かれただろう昼食をセットした。
「食べないと、何も出来ない。」
思いの外優しい言葉に驚く。
「犯人を見つけても、学校に行くにしても…外に出る勇気だって。」
オジサンの言いたい事が判らない訳じゃない。
素直に頷けないのは、また傷付くのを恐れているから。