かすみさんとさようなら。
「私で良かったら、付き合ってください。」

はにかみながらそう言ったのは、罰ゲームの相手役、篠崎さん。

「え、まじ?」

篠崎さんの隣の奴が驚いた。
もちろん俺も驚いた。

罰ゲームとはいえ、友達の前で振られるなんて、嫌すぎる。
でも、その潔い返事は疑問しか浮かばなかった。

篠崎さんとは隣のクラスで、一度も話した事はない。

容姿はいたって普通だし。
どこか飛び抜けて良い部分がある感じでもない。


「ありがとう。
じゃあ、これからよろしく」

とりあえず挨拶をしてその場を離れる。


大富豪を一緒にした友達皆、ブーイングの嵐だった。


「何OKもらってんだよ」

俺もびっくりしてるよ。

「罰ゲームなのに何彼女出来てるんだよ」

それは俺がどうこう言う事じゃないだろ。

「相手が篠崎じゃなかったら羨ましくて仕方ねー(笑)」

お前同じクラスのあいつ好きだもんな。


そんな、修学旅行だった。
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