【コメ祭3】プライド
再び現場ビルの中……
「真田さん、どうするんですか!
あと五分しか無いですよ!」
「うるさいな~わかってるよ!
そんなに逃げたきゃ、お前一人で逃げろ!」
「真田さん置いて一人で逃げられる訳無いでしょ!
逃げるなら、一緒に逃げましょう!」
「誰が逃げるかっ!
俺はこの起爆装置を解除する!」
「じゃあ~早く解除して下さいよ!」
「よしわかった!じゃあ『青』だ!」
「ちょっと待って下さい!」
青いコードを切ろうとする真田を、山本が慌てて制した。
「『青』って根拠は何です?」
「いや、何となく……」
「だめぇぇぇ~~っ!
そんな曖昧な理由で切らないでえええぇぇぇ~~~っ!」
「なんだよ……急かしたり、止めたり、わからねぇ奴だな……」
「わからないのはアンタだっ!
よくそんな理由でコードが切れますねっ!」
と、その時だった。
『おい、真田!聴こえているか!』
繋ぎっぱなしにしていた山本のケータイから、本部長の声が聴こえてきた。
「はい、聴こえてますよ。何ですか、本部長?」
『朗報だ。その起爆装置は、青のコードを切れば解除出来るそうだ!』
「えっ?」
本部長の言葉に、真田と山本は顔を見合わせる。
「どうして本部長がそんな事を知っているんですか?」
『実は、犯人から連絡があった。
これは罠とかそういうものでは無い!信頼出来る情報だ!』
どういう経緯で犯人がそれを教えてくれたのかは、二人には分からなかった。
しかし、これでようやく起爆装置を解除出来る……山本は、ホッと胸を撫で下ろした。
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