【コメ祭3】プライド
すると突然、現場の部屋のドアが開き一人の男が飛び込んで来た。
「なにやってんだお前らっ!
『青』を切れと言っただろう!」
「誰だ、お前は?」
「俺はこの爆弾を仕掛けた犯人だ!
なにモタモタしてる、早く起爆装置を解除しないか!」
「犯人?」
犯人は、電話で本部長からこの二人が起爆装置の解除を放棄してしまった事を聞き、シビレを切らしてこの現場へとやって来たのだ。
「あいにくだな、犯人さんよ!
この爆弾はここで爆発させる。
命が惜しかったら、さっさと逃げるんだな!」
「冗談じゃ無い!爆発なんてさせるかっ!起爆装置は解除する!」
「うるせぇ!こんなポンコツ爆弾の解除なんて出来るか!」
「ダメだ!こんな失敗作、爆発させられるか!」
「なんか、立場が逆になってるような……」
爆発まで、あと三分。
ニッパーを握りしめ爆弾に近付こうとする犯人に、真田が勢いよくタックルをおみまいする。
犯人と真田はそのままもつれ合って床をゴロゴロと転がった。
「邪魔するんじゃねえ!」
「それはこっちのセリフだっ!」
山本はといえば、そんな二人の様子を複雑な心境でただ見守るだけだった。
「いったい、どっちの味方すりゃあいいんだよ……」
時間は刻々と過ぎていく……
このままでは、いずれタイムオーバーとなり三人とも木っ端微塵になってしまうであろうという、その時だった……
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