【コメ祭3】プライド
「ったく……こんな都会の真ん中に爆弾なんて仕掛けやがって……」
「まったく、テロリストってのはロクな事考えませんね……」
二人とも、この状況下の中でわりかし落ち着いている。
爆発物の処理は常に冷静である事が重要である。
これは、この道10年のベテランである真田の口癖だ。
「さて、じゃあ~早速解除に入るかぁ~」
そう言うと、真田は腕捲りをして工具箱からドライバーを取り出し、爆弾のカバーを外しにかかった。
赤い小さなランプのようなものが定期的に点滅している。
その右側にはデジタルの四桁の数字……恐らくこれが爆発までの残り時間を表しているのだろう。
現在の数字は『20:48』
残りの時間はあと20分と少々という訳だ。
そして、爆発する火薬本体と複雑な電気回路の起爆装置……
その起爆装置からは、色の違ったコードが何本が出ている。
「なるほど……ちょっと変わったところもあるが、大方『タイプC』と見て間違い無いだろう」
真田は、冷静に爆弾の種別を確認する。
「よし、始めるぞ!山本、ニッパー貸してくれ!」
「はい!」
起爆装置解除の基本は、ニッパー(配線を切る道具)でこの何本かあるコードを一本一本切っていく……一本でも色を間違えれば即爆発につながる大変危険な作業である。
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