【コメ祭3】プライド
「ああ!そうかっ!
真田さん!導火線ですよ!」
「はあ?」
「この爆弾、なんか普通と違うような気がしてたんですが……起爆装置から火薬まで『導火線』で繋がっているじゃないですか!
だったら、導火線を切ってしまえば爆発しませんよ!」
まさに『目からウロコ』
『灯台もと暗し』である。
どうして今までその事に気が付かなかったのだろう。
しかし、ともかく時間前にその事に気が付いて良かった……
これで起爆装置は無事に解除出来る。
山本は、そう思った。
だが………
「邪道だ、そんなのは」
「え………」
「俺達はプロだぞ?
そんなシロウトみたいなマネが出来るか!」
この道10年のベテラン真田は、吐き出すように言った。
「そんな事言ってる場合ですか!
あと七分しか無いんですよ!」
「七分上等~!残りはあと一本だ!」
真田は、右手の中指を上に立ててイキ捲っている。
「なに言ってんですか!死にたいんですかっ!」
「お前こそなに言ってる!この稼業に就いた時から、すでに死とは隣り合わせだろうが!」
「そういうの『無駄死に』って言うんですよ!」
「解除すりゃあ~いいじゃね~か!確率は二分の一だ!俺に任せろ!」
(ダメだぁ……この人………)
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