弱虫うさぎの涙雨


「次どこ行く?」
「まだ、どこか行くの?」


私はあきれ顔をした。


「おうっ! だって、まだ2時だぜ? せっかくだからよっ!!」


健兎が笑う。


どうしようかな……。
まぁ、どうせ家に帰っても暇だし……。


「いいわよ」
「よっしゃ! じゃあ、ゲーセン行こーぜ」


そう言ったこいつについて、この近くにあるらしいゲーセンに向かう。


「今度は迷わないでよ?」
「任せなさい」


健兎は私の手を握ってゆっくり歩いてくれる。


下を向いて歩いている私を誘導してくれる。


「あ……」


私はCDショップの前で立ち止まる。


健兎も、もちろん気づいて立ち止まる。


「入るか?」
「うん」


私は音楽を聴くのがとても好きだ。


音楽は私を別の世界へ連れていってくれる。


実際は違うけれど、本当にそんな気分になれる。


歌詞の意味を考えながら深く聴き込むのもとても好きだし。


メロディーやオケを聴いているのもとても楽しい。


別に歌詞がついている音楽じゃなくてもいい。


例えば、クラッシックとか。


私はとりあえず、好きなシンガーソングライターのCDが置いてあるところへ向かった。

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