弱虫うさぎの涙雨
「いってきます」
私はそう言って玄関の扉を閉めて家の外へ出た。
まだまだ暑い外をゆっくりと下を向いて歩く。
暑い……。
そう思いながら。
学校までは徒歩10分程度。
暑くてくじけそうになりながらも、ゆっくりと歩みを進めていた。
すると、横をクラスメイトの女子が通った。
「ブスが…学校来ないでよ」
そう小声で口にしながら。
聞こえてるよ。
わざわざ、小さな声で言わなくてもいいのに……。
心の中で一つ、今日のイライラの種ができた。
私は気にせず歩き、学校へとたどり着いた。