弱虫うさぎの涙雨


「いってきます」


私はそう言って玄関の扉を閉めて家の外へ出た。


まだまだ暑い外をゆっくりと下を向いて歩く。


暑い……。


そう思いながら。


学校までは徒歩10分程度。


暑くてくじけそうになりながらも、ゆっくりと歩みを進めていた。


すると、横をクラスメイトの女子が通った。


「ブスが…学校来ないでよ」


そう小声で口にしながら。


聞こえてるよ。
わざわざ、小さな声で言わなくてもいいのに……。


心の中で一つ、今日のイライラの種ができた。


私は気にせず歩き、学校へとたどり着いた。

< 2 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop