弱虫うさぎの涙雨


学校なんてどうしてあるんだろう。


昇降口で下駄箱をみて思う。


見るからに塗れている上靴を取り出して床に置く。


____ビシャッ


そんな音がしたが気にせず、履いて歩き出す。


濡れて少し重いけど、夏だし問題ない。


私は教室にたどり着くまで、なぜ学校が存在する理由を考えてみたが……納得のいくようなものは思いつかなかった。


教室には行った瞬間、その中だけ一瞬時が止まる。


けど、本当に一瞬。


その一瞬が終われば私が入ってきたことが無かったみたいに皆の時が進み出す。


「よぉー!」


こいつは例外だけど……。


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