弱虫うさぎの涙雨


私達は体育館につくと、それぞれの場所に並んだ。


生徒番号順だから、私と健兎の並んでいる場所は遠い。


私はひたすらに下を見つめていた。


周りから聞こえてくる声はシャットアウト。


早く、始業式始まらないかな……。


そう思って時計を見ると、始業式開始まで後5分あることが確認できた。


後5分もあるのか。
暇だなぁ。


そんなこと考えてたって、この学校は時間通り進めたがるから絶対に時間にならなきゃ始まらない。


どう考えたって、もう全学年しっかり揃ってそうなのに。


ずっと立っていると濡れている上靴が少し気になる。


あーあー。
なんで、上靴置いてったんだっけ?
置いてかなかったら、初日だけでも上靴助かったのに……。


そんなことを思っても後の祭りだ。


「2学期始業式を始めます」


そう教頭先生から声がかかってから、式が終わるのはあっという間だった。

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