裏TABOO ~矢吹センセの場合~
レッスン
「35点、セーフ」
清々しいほど丸が少ない答案。
それでも赤点は免れてるんだからたいしたもんだ。
1年の数学を担当してる教員が急病で早退した為、代わりを任されたオレ。
面倒だから小テストをやらせたんだけど…
受け持ちじゃないとこんなにも寛大になれるのは発見だな。
そんなことを思いながら次の採点に取り掛かろうとした時、ノックの音が聞こえた。
「どうぞ」
ドアがゆっくりと開き、現れた1人の女子生徒。
その強張った顔を見てやっぱりなと思いつつ、「座れば?」とにこやかに迎い入れた。