裏TABOO ~矢吹センセの場合~
座ってからなかなか顔を上げようとしない女子生徒の前に、採点が終わった答案をスッと差し出す。
「確かにメッセージは受け取ったから」
それを聞いて小さな肩がビクッと揺れたけど、形勢を立て直すのは意外に早かった。
「さすが、心当たりのある矢吹先生だからすぐわかったんですね」
「だな、わざわざテスト用紙にまで書いてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「時間もないし、そろそろ始めるか」
「そうですね」