狂愛
泥の追憶
「私は、彼を愛してるんです―――。」

目の前に座る女は俺に言った。

「では、何故貴方は愛してるにも関わらず被害者を殺したのですか。?」

「愛してるからですよ…刑事さん、愛してるからこそ私のモノのままで留めておきたいんです…。」
俺は、この女が嫌いだ。


黙って一人で街を歩いてたらナンパ位はされるだろう。

髪が長く――小綺麗で――色白で―――。

きっと、甘やかされてきたお嬢様なのだろう。
別に女自体に嫌悪感を抱いてるわけじゃない。

女を見ていたら、思い出したくもない記憶が、泥沼の泥をかき混ぜドロドロと浮き出るような、気味悪く甦ってくる。


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