―奏― 君に捧げる愛の歌
これだから、誰とも関わりたくないんだ――
美香の家族がすでに来ていたのだろう。
花が添えられて、墓石は綺麗に拭かれていた。
「もう、忘れなきゃいけないんだよな・・・」
俺は、そう美香に話しかけた。
忘れなきゃいけないのは分かってる。
もう、いない人のことを想っててもしょうがない。
今の俺を見たら、美香はなんて言うかな・・・
「ふっ・・・」
俺は自嘲気味に笑った。
―***― 俊side end ―***―