【短編】 あじさいが咲く頃に
だって俺は
お前に笑ってて欲しいから…。
一番の願いは俺の隣りで
笑ってて欲しいってことだけど。
でももう、充分痛いほど
お前が誰を好きかなんて知ってっからさ。
もういい加減、ケジメつけなきゃな…。
「理加、これやるよ」
「わぁー紫陽花! 私この花、好きなの」
そんなのとっくの昔から知ってるよ…。
アイツに負けねぇくらい
お前のことずっと好きだったよ。
「俺のバカ兄貴よろしく頼むわ、義姉ちゃん」
さよなら、理加……。