【短編】 あじさいが咲く頃に


「健ちゃん~昼飯食べようぜ!」


「おう」



こいつは友達の亮。


なんつーか主人に忠実な犬って感じ。


今時珍しい純情な奴で
最近付き合いだした彼女も内気な子で。



それでも上手いこと行ってるみたいだからマジ謎だな。




「亮、今日ヒマだったら遊ばねぇ?」


「えっ、でもさっきの女の子に
先約あるとか言ってなかったっけ?」



ちぇっ、やっぱ犬は耳がいいな。




「あれは嘘。 アイツ最近
俺にマジになってきたからパス」


「そういうのって、いいの?」



なんでお前が泣きそうな顔すんだよっ。





< 2 / 16 >

この作品をシェア

pagetop