【短編】 あじさいが咲く頃に


「あの、うちに何か用、ですか?」


「…えっ?」




振り向くと同じ学校の制服を着た女の子。


学年ごとに違うリボンから察すると
俺より一つ年下。




「……あーごめん。 ここ君の家?」


「あっ、はいそうです」




相手も俺のネクタイの色で
俺が年上って気付いたみたいで敬語。







「…紫陽花、きれいだね」


「あぁ、そうですね」





同意しかしない彼女は
俺の隣りでぼんやりと紫陽花を見つめた





< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop