君との365日
私たちは海で遊んだあと、着替えてから花火大会があると言う寺まで歩いた。
そこだと花火が一番綺麗に見えるらしい。
ベストショット、と評判もあって人は多かった。
…また、人酔いするかも。
「何か欲しもんでもあったら買いに行こか」
そう、海音が言った。
さすがに今は要らないけど…花火が上がるまでは時間もあるだろうし。
「海くん!花火いつ上がるの~?」
「9時過ぎらしで?」
9時過ぎ…今は6時過ぎだから…三時間もあるじゃん。
寧ろ暇じゃないか、三時間も屋台なんて見て回れない。
一周しただけで満足できるし満腹にもなる。
「羽音、イチゴ飴買わねー?」
綾芽の口からイチゴ飴って単語が出るなんて…予想外だった。
似合わないことはないけど…ビックリした。
「食べる」
イチゴ飴は私の大好物。
屋台に行くと必ずと言っていいほどイチゴ飴を食べている。
美味しいから。
イチゴの甘酸っぱさと飴の程よい甘さ。
この二つがミスマッチしている。
それに、可愛いしね。