君との365日
「羽音…もう、いいから…」
「蒼空。最後まで聞いて?…そのあと――…」
私にとって一番嬉しくて、一番悲しい悲劇が起きた。
お父さんが自殺した。
当時の私は中学3年生。
受験をもうすぐに控えてた時だった。
お父さんが死んだのはこの上なく嬉しかった。
だって、これでやっと暴力から逃れられて売られることもなくなるんだって思ったら嬉しかった。
それと同時に、これからは誰もいないこの家で一人で暮らさなきゃいけない、どうしようって思った。
どんなお父さんでも
どんなお母さんでも
私の両親は、この二人しかいないから。