君との365日
-海音side-
俺の膝上には愛しい羽音の顔。
泣き疲れたんか羽音はぐっすり眠っとった。
俺らは羽音の過去を聞いて唖然としとった。
そこまで壮大な過去やとは思わへんかったから。
羽音が眠っとる中、俺らは起こさへんように小さい声で話す。
「こんなちっこい背中に、あんなおっきい過去背負っとったんやな」
「あたしのいじめよりも辛かっただろうな」
「お前は強いやんけ」
「喧嘩はな」
綾芽は喧嘩だけは強かった。
男の俺や蒼空は勝つけども女やったら誰にも負けへんはずや。
…さすがにレディース相手やったら負けるやろけど、その辺の女よか強い。