君との365日

心は羽音の方が強かったみたいやけど。
溜め込みすぎや。

「んで、海音。こらからどうすんだよ?佐原さんがあのまま引くような気はしないけど」

そうなんよ、そこが問題やねん。
あいつは転校したらしけど…去り際に俺に言うた台詞が意味深やった。

「海くんは私のもの。誰にも渡さない」

にっこり笑って言うてた。
俺は誰のもんでもあらへんっちゅーねん。

「大丈夫やろ」

「油断禁物だな」

「おん。せやけど、羽音には指一本触れさせへん」

「お前は…羽音に溺愛なんだな」

「蒼空かて綾芽に溺愛やんけ」

好きな女が自分の彼女になるんて、こないに嬉しい事なんか。
改めて分かったわ。

中学時代の俺は本間馬鹿やった。
色んな女抱いて…。

それでも羽音は俺を好きで居てくれるんやろか。
幻滅したりせえへんのやろか。

…俺、女々しいな。


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