君との365日

「…そないにガン見せんとってや。…俺に見惚れてたんか?」

ほらね?
喋ったらダメなんだよ。
黙って息してれば…よくないけども。

「私は常に見惚れてるよ?」

小首を傾げて少し笑って見せた。
…なんとなく、し返してみた。

ら、案の定海音は顔を赤くして小さく「…そう、なんか」だけ呟いた。

ふふ、私の勝ちだね。
勝ち負けじゃないんだけど、たまにしてみたくなる。

海音の照れた顔があまりにも可愛いから。
私もいじめたくなっちゃうんだよね。

「そや。今日の放課後デートせえへん?」

「…今日?」

「なんか予定あった?」

「いや、特にないけど…」

予定なんかない。
ただ、急すぎてビックリしちゃっただけ。
…あえてそれは言わないけど。

絶対言ってやんないから。

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