君との365日

「無視せんとってや」

「へ?私に言ってたの?」

「あんた以外に居らへんやん」

いやいや。
こいつ…馬鹿なの?馬鹿だよね?馬鹿でいいよね?
…うん、馬鹿でいいや。

いきなり好きって言われても…。

「私は嫌い」

「なんでなん?」

「嫌いだから」

「振られたん初めてやわ」

クスクス笑って私の頭を撫でる。
子供扱いしすぎでしょ。

しかも何気に自慢的なの出た。

「初めてを味わえてよかったね」

「ふは、そやな。後はここ真っ直ぐ行ったら職員室につくさけ。気ぃつけや」

そう言って片手を挙げてヒラヒラと手を振って来た道を戻っていった。

「あ、ありがとう!」

そう、叫んだけど聞こえているかは定かではなかった。


――窓の外を見ると桜の花弁が舞い散っていた。

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