綾蝶
康介side

双子の弟がいた。

俺より出来が良くて、みんなに愛される可愛い弟が。

でも、年をとるにつれて、それはプレッシャーにしかならなかった。

何でもできるあいつ。

そこそこしかできない俺。

だから両親は、俺よりあいつをとった。

俺は、ぐれた。

ただただ、かまって欲しかった…

だけど、そんな俺の願いは両親に届くはずもなく、そんな俺になにも言わなかった。

俺は、族に入った。

その族の奴らはみんな優しかった。

2年後、俺は総長になった。

それに追うように、あいつも総長になった。

正直、戸惑いを隠せなかった。

今なら両親は俺に目を向けてくれるんじゃないかと思ったからだ、

だけど、そんな俺の期待をあっさり裏切ったのは、両親の一言だった。

「輝に後を継がせるから。」

その瞬間、目の前が真っ暗になった、
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