空っぽのキミに
「あ、あの・・・・・・」

 
恐る恐ると言った感じでそいつは俺に声を掛けてきた。
 

ああもう、関わりたくなかったのに。
 

けど、話しかけられた以上無視する訳にもいかねぇ。

「何だ?」

「えっと、経済学部の講堂ってどちらでしょうか・・・・・・?」
 

俺より大分小柄なこの子は、じっと俺を見つめて恐々とそう聞いてきた。
 

さっきまでは彼女なんていらねーとか思ってたのに、この子を間近で見た途端に考えは180度回転した。
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