空っぽのキミに
「俺、経済学部2年の西崎純哉ってんだ。俺の後輩さんになるのかな」

「わ、先輩になるんですね。なら、尚更敬語にしますよ」

 
うーん、何て言うか真面目な子だな。
 

でも、何か無理にでも普通に話させたいと思ってしまう。
 

俺ってこんな俺様思考だったっけ。

「敬語やめないと、教えてやんないし案内もしてやらん。あ、さんづけも禁止」

「うー、意地悪さんです・・・・・・」
 
あからさまに困った顔をする。

「うーん、それじゃあ、えっと、西崎センパイ、案内してく・・・・・・、くれる?」

 
それでも意を決したように口を開いた彼女の言葉は、何か妙だったけど、まぁいいだろう。
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