空っぽのキミに
「あ、ちょっと散歩、です」

「そうなの?西崎君はどうしたの?」

「部屋に戻りました。何か疲れたって言って・・・・・・」

私の言葉に、看護師さんの顔が不信そうな物に変わるのが分かった。

まだ純哉君が1人で満足に動けない事、分かってるもんね。

「何か、あったの?」

看護師さんの問いに私は黙ってしまう。

だって、ここを繕う嘘が思い浮かばなかったから。
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