空っぽのキミに
「逃げろって?」


一瞬意味が分からなかったが、直ぐにその意味を思い知らされた。

文字通り身を持ってってやつだ。

「ああ・・・・・・」

結愛が表情を凍り付かせる。

俺だってそうだ。

目の前には横滑りしてくるトラック。

「結愛!」

俺はとっさに結愛の身体を抱き寄せる。


次の瞬間にはトラックにはね飛ばされる。
 

一瞬身体が宙を舞う感覚がはっきりとわかった。
 

そして、冷たいアスファルトに叩きつけられる。
 

その瞬間に俺の意識はブラックアウトした。
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