こんにちわ。こんばんわ。さようなら。
記憶の欠片
ー1ー

試料を手にしている男に近付いて
くる足音が聞こえてくる。

同じ職場の人間が来たのだと挨拶を
するが返事が返ってこない。

資料から顔を上げると知らない
男が立っていた。

「ーっ!どうやって入ってきた!!」

焦る男を余所に、ダルそうに突っ立って
いる。

ほんの一瞬だった。
男は倒れて資料が辺りを散らばる。

その中の一枚を拾い上げた。

三日月のように笑みが溢れる。

「見つけた」


< 3 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop