* another sky *
「うんっ。」
大きく頷いた私の頬を持ち上げて、航太は、ちゅ、と音を立ててキスを寄せる。
一気に熱を感じる、私の、頬。
ドキドキと早鐘を打つ心臓に、クラクラしそうになりながら。
航太はいつも、言葉に出して気持ちを伝えてくれるんだよね…。
今まで、ちょっと恥ずかしくて…。
なかなか同じようには言えなかった、自分の気持ち。
だけど、今日はちゃんと言葉で伝えたいと思った。
今、伝えなきゃって、思ったんだ。
「…航太。
こんなに幸せな気持ちにさせてくれて、ありがとう。」
航太が笑ってくれるから、―――。
私はいつも、満たされた、穏やかな気持ちでいられるんだ。
「…私、今、世界で一番、幸せだと思う。
…今まで生きてきた中で、一番。
今日は、幸せ…。」
えっと…。
やっぱり、緊張するな…。
「…大好き。
航太のこと、…すごく愛してる。」
航太は穏やかな笑顔で、わたしの告白を聞いてくれていた。
「私、航太にいつも幸せにしてもらってばっかりだからね…。
これからは、私も航太を、幸せに、―――。
幸せにしてあげたいの。
だから、何でも言って……。
私ね、航太の為なら、何でも出来るよ。
もう、会いたいとか…、会えなくて寂しいとか、…
我儘、言わないから……。」
最後まで言い終わらないうちに、私は航太の胸にぎゅっと抱きしめられていた。