* another sky *
「我儘なんか、言ったことないでしょ。」
「航太、――?」
「玲はこのままで、いい。
俺の横で…、ずっと笑っててくれたらいい。
それだけで、俺は嬉しい。」
「でも…。」
「でも、じゃなくて。
俺、玲が喜んでくれると嬉しいんだよ。」
「だって、…。」
「もっと、我儘、言っていいんだよ?
むしろ、言ってくれ。
俺に会えなくて寂しい思いをさせてるのなら、いつだって時間を作る。
俺だって、束縛したいし、一緒にいると帰したくなくなる。
こんな必死で…俺、…可笑しいだろ?」
――――――!!
「ほんと、どうしようもないくらい、好きで、好きで、しょうがない。
だから、玲が望むこと、何でも叶えてあげたいんだ。」
「こ、航太。」
「愛してる…。
これから先も、ずっと永遠に…。
でも、今はまだ、俺は社会人としても未熟だし、玲は学生だろ。
必ず、いつか、玲を迎えに行くから。
絶対に、幸せにするから。
だから、俺のそばにいて欲しい。」
―――――!!
真剣な眼差し。
熱い気持ちに、心が震えた。
「私も、ずっと航太と一緒に、いたい…。」
柔らかな唇を、そっと指で触れてみる。
この唇が、私を好きだと言ってくれたから。
ちょっぴり照れくさそうな瞳で私を見入る航太の胸に、顔を埋めて。
甘い幸せに、酔わされていく。