* another sky *
私はオロオロしながら、聞いていた。
航太の話がどこに向っているのか、わからなかったから。
「…玲の気持ちは、わかってるんだ。
玲が俺にしか向いてないのも、わかってる。」
「そうだよ…?
もう、航太しか、見えてない…。」
「何だろう…、この気持ち。
うまく説明できないな。」
――――――――!!
わ、わかんないよ…。
航太、何が言いたいの……?
「なぁ、一緒に朝ごはん、作ろうか。」
「えっ。」
あれ、―――。
うまく…、はぐらかされた…?
「玲、フレンチトースト、作ってよ。」
「…うん。」
「メシ、食ったらさ、どっか出かけよっか。」
「…うん。」
ねぇ、航太。
私はたくさんの愛を航太から貰ってるよね。
私も精いっぱい、航太のこと愛しているよ。
航太が思ってるよりも、ずっとたくさん。
伝わってないんだろうな…。
だって、私は…いつも、失敗をするから。
いいなって、思ってた人。
『好きだ』って言ってくれた人。
一時期でも、彼氏という場所にいてくれた人。
いつも上手く伝わらなくて、怒らせてしまう。
玲にとって、俺は何…?
お前って、俺のこと本当に好きなの…?
わかんねえよ。
玲は、どこ見てんの?
解りづらいんだよ。
繰り返されてきた会話を思い出して、目の前が真っ暗になる。