* another sky *
麻友理って、―――。
この冬休みで少し変わった?
生き生きしてて、すごく綺麗になったみたい。
吹っ切れたから……?
「地元で就職するの、やめたんだ?」
綾子が念を押すように聞く。
「学生課から紹介してもらった会社がいい感じでね。
面接行ってきたの。」
「どうだったの?」
「うん、年末に内定もらったし、このまま決めちゃおうかと思って。」
「そっかぁ。じゃあ、このまま一緒にいられるんだね。」
地元で就職して、高橋君と結婚すると決めていた麻友理だったから。
卒業したら、なかなか会えないのかなって、思っていた。
ずっと一緒に過ごしてきたから、それはちょっと、寂しいなって。
だけど、地元に帰らずにこっちに残るのなら、私は素直に嬉しいよ。
「じゃ、佐藤君と進展あったの??」
「メールはくれるけど…、わかんないなぁ。」
「りょうちゃんはどうなの?」
「何回か遊びに行ったけど…まぁ、まぁかな。」
満更でもなさそうに綾子は笑う。
「いい感じっぽいじゃん。」
「まぁね。」
へぇー。
りょうちゃんが照れてる…。
うまくいくといいなぁ。
「ね、玲は最近、渡瀬さんとどうなの?」
麻友理の言葉に、綾子がケラケラと笑い出す。