* another sky *
「あ、でも明後日、会うよ。」
「明後日?」
「就職したら、私も紺ちゃんとあんまり会えなくなるのかなぁ。」
「我慢も必要だよね。」
そう小さく呟くと、麻友理はよしよしと頭を撫でてくれた。
正直、寂しい。
すごく、会いたい。
今までは、私が学生だったから、合わせられたってことも大きいよね。
いつまでも学生気分で会いたい、なんて甘えてちゃ、いけないよね。
わかってはいるけど、心の奥では寂しくて仕方ないよ。
「じゃあさ、明後日、超ラブラブモード出しちゃいなよ、ね?」
――――――!!
「どうやって出したらいいの?」
「んーと、それはね……。」
綾子はしばらく考え込んで、
「ね、ラブラブモードってどうやって出すの?」
と麻友理に委ねた。
「…っ、わかんないわよ、もう。」
私に聞かないでよ、と麻友理はカフェオレを一気に飲み干した。
「りょうちゃんこそ、今、いい感じならさー。
好き好きオーラ、出てるんじゃないの?」
「わかんない。
久しくなかったからさ、そんなの。」
「ずーっと、好き、好き言ってれば?」
――――――――!!
「んもうっ。人の事だと思って。」
あー、もう…。
こんな話、してたら、早く会いたくなっちゃうじゃん。
早く会いたいって、メールしてみよっかな。
ちょっと恥ずかしいけど、好き好き言ってみるとか?
航太の笑顔が早く見たい。
航太の腕の中で、眠りたい。
航太を、感じたい……。