* another sky *
「昨日は……。
勝手に帰って、ごめん…。」
航太は返事を待とうと、私の顔を見つめていた。
――――。
反応すらしない私に、悲しそうな顔をして…、そして諦めたように話し出した。
「ずっと、考えていたんだ…。
俺、何て言ったら…いいのか…。」
浮気、じゃないんだ。
「玲を、一番大切に、思ってることには、変わりないんだ。」
本気、なんだ。
「こんなふうに、なるなんて…。
玲を傷つけてしまって……。
本当に、悪かった…。
信じてもらえないと、思うけど…。」
航太…、苦しそう――。
ねえ。
航太を苦しめているのは、
…私なの?
「玲、ちょっと、時間をくれないか。
…俺が悪いのに…、玲に時間をくれって、
おかしいんだけど。
玲と、このまま終わりたくないんだ。
きちんと、ケジメ、つけないと…。
ごめん、―――。
俺、酷い事、言ってるよな…。」
本当だよ。
酷すぎるよ…。
だって、意味、わかんない。
もう、航太の話なんて、聞きたくない。
現実を、直視しろって……?
そんなの、無理。
全てをシャットアウトして、
必死に自己逃避するだけで、いっぱい、いっぱい。
自分の心の奥に閉じこもってしまった、ただの抜け殻だ。