* another sky *
航太、―――。
お願い…だから…。
もう、帰って、欲しい…。
「ごめん。
ごめん、本当にごめん。」
お願いだから。
謝らないで。
航太に謝られたら、
私はどこに向かえばいいの?
爆発しそうな感情に、歯止めが効かなくなりそうで。
目を開けていることすら辛くて、私はそっと視線を逸らす。
「玲。…本当に、ごめん。」
航太は私を、……抱き寄せる。
「……っ!!」
刹那、湧き上がる、感情。
鳥肌が立つくらいの、嫌悪。
身体中が、拒絶、する。
お願い、――――。
もう、構わないで―――。
……………。
ああ…。
航太の前では泣きたくなかったのに。
溢れ出した涙を、抑える術もなくて。
航太の腕の中で、ズルリ、と身体が落ちていく。
「…泣かないで、…くれ…。」
力の抜けた私を、辛そうな瞳で見入る航太。
一瞬、躊躇うように揺れた瞳が、視線を伏せた。
そして、―――。
私の唇は、塞がれた。