* another sky *
「えっ。」
断言された言葉の衝撃に、思わず怯んでしまう。
「…、梨花…、あのね。」
これでも、前向きに考えられるように、なったんだよ。
確かに、傷ついたけど…。
航太だけのせいじゃ、ないっていうか…。
私にも悪いところがあったからなんだろうって…。
「航太だけの、せいじゃないよ…。」
「は?
何、馬鹿なこと、言ってるの?」
「ん…、でも……。」
そんな私の声を遮って、凛とした声が、響き渡った。
「渡瀬さんは最低だし、麻友理も最低。」
――――――――?
「…、麻友理??」
どうしてここに、麻友理が出てくるの?
「麻友理がどうして、最低なの…?」
「……っ!!」
私のこの言葉は、梨花にショックを与えたようだった。
「玲、――――。
もしかして…、知らないの?」
え、――――?
「本当に、何も知らないの?」
「あ、あの、――――。
梨花が何を言ってるのか…、わかんないんだけど…。」
「…っ、玲っ!!」
梨花は、私の肩を揺さぶりながら、言い放つ。
「…玲、何も知らなかったの?」
何が起きているのか、わからない。
だけど、――――。
頭の中で、危険信号が激しく鳴り始める。
早く、――――。
早く、ここから立ち去らなきゃ。
梨花、お願い。
私を離して。