* another sky *
「…どう、話したらいいのか…。」
切り出したものの、振り上げた拳は持って行き場のない状態で。
どれくらい、時間が経ったんだろう…。
ゆっくりと私の方に視線を向けると、梨花は重たい口を開き始めた。
「…、あのね。」
「…、うん。」
「私…、気になってて…。」
「…何を?」
「うん…。
この間の…、スノボ。」
「スノボ??」
梨花が何を話し出すのか、見当もつかない。
ただ、心がぎゅっと、縮んでいくようで。
「スノボ、行ったじゃん。
みんなで……。」
「…、ああ……。」
「あの時…ってさ、玲が…。
玲が麻友理を、誘ったの?」
何、――――?
スノボの、話……?
あの時は、確か……。
「誘ってたのは確かだけど…、麻友理は行けないって。
梨花も聞いてたでしょう?
綾ちゃんが一生懸命誘っても、麻友理、行くって言わなかったでしょう?」
「だよね、―――。
じゃあ、何で急に、麻友理が来ることになったの?」
「それは、……。
麻友理からメールがきて……。」
「いきなり?」
そうだ。
高橋君と会えなくなったって、言うから心配で…。
「高橋君がドタキャンしたって…。
一人でいたくないから、私も行ってもいい?って……。
それが、…どうしたの?」