* another sky *
どうしたのって、―――。
こんな時に、スノボの話を梨花が持ち出した時点で…。
何か…、関係があるんだって、わかるはずなのに。
もう、あの時から……?
そんなことは、ないはずって……。
必死に、打ち消したい、どうにかしたい私がいて…。
「ゲレンデで、さ。
麻友理の側に、佐藤君付いてたけど…。」
「…うん。」
「…途中から、渡瀬さんに…、変わったじゃない?
私、後から未来と一緒に麻友理のところ、行ったんだけどね…。」
―――――――!!
怖い。
怖い。
何を聞かされるのか……。
怖くて、――――。
ニゲダシタイ。
「あの二人…、
手を…繋いで、滑ってたの。
麻友理が滑れないから、渡瀬さんが手を引っ張ってくれているのかなって、最初は思ったんだけど。」
梨花は、私の目を一度覗き込む。
「…、大丈夫?」
――――――――!!
大丈夫、なんかじゃない。
もう、帰りたい。
それなのに、私は、
「うん、大丈夫。」
なんて、答えちゃうんだ…。
私の返事を聞いて、梨花は安心したのか、話を続ける。
残酷な話は、残酷な結末を迎える。
梨花の言葉に、あの時のことが思い出されて、私は唇を噛みしめた。
だって、梨花がまだ何を言い出すのか、わからないんだもん…。