* another sky *
「そしたら…、お正月。
初詣に行ったらさ、会っちゃったの…。
あの人混みの中、――――。
麻友理と渡瀬さんに。
何かもう、あの二人、雰囲気からおかしくて…。
私、見て見ぬふりしようと思ったら、未来が飛び出して行っちゃって…。
何、してるんですかっ?って。」
…………。
「…、私も麻友理に、玲は?って、聞いたの。
二人、黙っちゃって…。」
冬休み、麻友理は実家に帰らなかったって、言ってた…。
航太と一緒に…、いたんだ…。
「そしたらね、次の日、麻友理から電話が合ったの。
…、渡瀬さんが好きだって。」
―――――――!!
衝撃、だった。
大きな鉛の玉が、私の心臓に向かって、落とされる。
鈍く、じわじわと痛みが襲ってきて、私は目を閉じた。
麻友理……。
嘘だ………。
梨花に電話した後も……。
私と普通に…、話してたって、こと?
綾ちゃんと三人で、お茶、したよね?
会えなくて、寂しいよって言ったら……。
頭、撫でてくれたよね…?
でも、もうその時には……。
――――――――!!
『私、由樹とは完全決別。』
凛とした、麻友理の声が耳に響く。
そっか…。
あの時には既に、麻友理の気持ちは航太に向いていたんだ。
だから、私に、
「最近、どうなの?」
って聞いてきたんだ……。